間違った勝ち方は未来の高利な借金となる

初心者トレーダーでも相場に勝つことはある。いわゆるビギナーズラックというものだ。

あやふやなトレードをしているため、なぜ自分が勝てたのか理解していない。

本当のところ、勝てた理由はたまたま運が良かっただけ。自分のトレードの再現性や確率を検証したことがなく、ほぼ恣意(しい)的にトレードしていることに気付かない。残念なことに自分には相場の才能があると勘違いしてしまう。

こういったレベルのトレーダーが二次曲線的に資金を増やすことはない。

何故なら、近い将来に高利な借金を返済するのと同じように、今までの利益を吐き出し、更に追加で資金を吐き出すような大負けをする可能性が高いからだ。

頂点が有ると書いて有頂天有頂天になった者は落ちて行くのみ。

俺が相場で一貫した利益を上げることができるようになった理由のひとつに、ビギナーズラックを経験していないことが挙げられる。

トレードを始めた最初のワンショットで60万円という大負けをして相場の怖さを知った(損切りではなく強制決済だった)。あれ以来、相場道とはナイフの刃の上を素足で歩くようなモノだと肝に命じている。

今でも、相場では少しでもバランスを崩すと直ぐに怪我をするものだと思っている。

今ではワンショット当たりの平均損切り額があの時の損失額以上になっているが、あくまで計算された許容範囲内の損切り額である。

俺のコンサルを受講して、過去一年分ほどの過去検証をやってみれば、俺の取引手法をだいたい覚えられるだろうし、俺がいつも口酸っぱく言う逆指値の置き方や、ルールに合致しても損切りになりやすい相場環境を少しくらいは分かってくると思う。

そうしてデモトレードや極小ロットのリアルトレードをやってみると、そこそこ勝てるという実感を持つコンサル生が多い。リスクに対するプレッシャーが無いから気軽にエントリーできるのは経験値を上げるためには良いことだ。

実はここに落とし穴があって、本人はルール通りにトレードしているつもりでも、ルール通りにトレードが出来ていないことがある。

よくあるのが、損切り直後にルールでもないのに、恣意的に再エントリーして勝ててしまうケース。

損切り幅が狭いとよほど狙いを絞らなければならないし、更に短期的に運が味方しなければ、ポジションが生き残って含み益を乗せることができない。

ルールを破っても勝ててしまうと自分の相場観に慢心し、ルールを破っていることに自覚できないだけでなく、ルールを自分流に都合良く解釈(改釈?)してしまうのだ。

しかしこういったトレーダーは、自己資金量に応じた取引数量でトレードしてみると全く勝てなくなってしまう。

リスクに対してプレッシャーを感じてしまい、今までのように気軽にエントリーできず、相場を選ぶようになっているのだ。

こうなると手数が減るからビギナーズラックが機能しなくなり、損切りするとエントリーに恐怖心を抱くようになる。

相場にはランダムに勝ちトレードと負けトレードが分布するものだが、この事実を受け入れられるだけの思考レベルに達していないことが主な原因と考えられる。

トレードの売買ルールというものは、取引数量に応じて変えるものではない。0.01Lotsと10Lotsの取引数量では、一貫した同じ売買ルールでトレードされなければならない。(厳密に言うと、投資資金が1億ドルを超えるような大物トレーダーになれば売買ルールは変わるだろうが)

直感や思い付きによるトレードでも勝てることは確かにある。しかし、これらの恣意的なトレードには再現性がなく、優位性や確率の裏付けがない。

つまりルールともロジックとも言えない間違ったトレードでは、プレッシャーを意識するようになった時に一貫したパフォーマンスを出せないのだ。

短期的に相場で結果が出ているのであれば喜ばしいことではあるが、それが恣意的なトレードであったのか、一貫した売買ルールでのトレードであったのか、ちゃんと再検証することをお勧めする。

何故なら、間違った勝ち方は未来の高利な借金となるからだ。

トレードで勝てた時は『運が良かった』だけで、『負けたらそれが自分の実力』だと思うくらいでちょうど良い。慢心してはいけません。

相場に対しては謙虚になれ、そして貪欲であれ!

Be humble, stay hungry.

(Dwayne Johnson)

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